季節のはざまは着るものに困る

よく「秋から春先まで着られます」、「3シーズンOK」といって販売されているコートなどがあって、たしかにそういうのは長く着られる。

だから、そういう感じの適度に厚みがあって、色も中間色なら春まで着られるだろうと、何年か前の秋にモッズコートを買った。

ところがそんな目論見を外してしまった。濃い茶色なので、どうも秋の終わりに見える。色だけならいいんだけど、裏地がタータンチェックのショールのような布で、どうしても春先には重く見えてしまう。ああ。

そこで、色や素材の季節感ってどこからきているのかなぁなんて考えた。

パリコレの写真などを見ていると、あちらのブランドでは、春夏物でどっしりした布を使ってみたり、逆に秋冬物でやわらかく軽やかにしてみたり、意外と柔軟なようだ。

じゃあ日本はどうなのかしらというところで、ひとつ思い出したのが、「着物は季節を先取りする」ということ。夏真っ盛りなら秋らしい柄にする。今の時期なら桜の柄かな。私は着物に詳しくないけれど、帯や帯あげ、帯締めなどの色や素材になにを使うかでも、ずいぶん印象が変わるのだろう。

季節を着るという意味で、着物はとても感受性が豊かだ。日本人はあまり着物を着なくなったけれど、着るもので季節を感じるのは変わっていないのかもしれない。

よし、春物のコート買おう。